腰痛は多くの人が一度は経験する不快な症状です。厚生労働省の調査によると、日本人が抱える自覚症状の中でも「腰痛」は常に上位に入っており、国民病ともいえる存在になっています。

しかし「腰が痛い」といってもその原因は実にさまざまで、内臓疾患や精神的ストレスからくる場合もあれば、骨や筋肉に直接的な原因がある場合もあります。特にレントゲンやMRIなどの画像検査を行っても明確な異常が見つからないケースも多く、「原因がわからないのに痛みが続く」という人も少なくありません。

そこで本記事では、腰痛の主な原因を大きく5つの視点から整理し、それぞれどのような仕組みで痛みが起こるのかを解説していきます。腰痛に悩んでいる方、またはその予防法を知りたい方はぜひ参考にしてください。


1.筋肉の問題からくる腰痛

腰痛の中でも特に多いのが、筋肉や靭帯に由来するタイプです。

  • 長時間のデスクワークで筋肉が硬直する
  • 中腰での作業が続いて腰の筋肉が疲労する
  • 運動不足で筋力が落ち、支えが効かなくなる

こうした状況が積み重なることで、腰の筋肉に炎症が起きたり、靭帯が引き伸ばされるなどして痛みを引き起こします。

また、姿勢の悪さも大きな要因です。猫背や反り腰など不自然な姿勢を続けると、特定の筋肉に負担が集中しやすく、腰痛が慢性化してしまうケースも少なくありません。


2.軟骨(椎間板)の問題からくる腰痛

背骨の骨と骨の間には「椎間板」というクッションの役割を果たす軟骨があります。この椎間板が加齢や外傷により傷んだり変形したりすると、周囲の神経を圧迫し、鋭い痛みやしびれを引き起こすことがあります。

特に有名なのが「椎間板ヘルニア」です。これは椎間板の内部にある髄核という組織が外へ飛び出し、神経を圧迫することで強い腰痛や坐骨神経痛を発症します。

若い世代でも激しい運動や重労働が原因で起こることがありますが、中高年になると加齢により椎間板がすり減って変性しやすくなるため、発症リスクが高まります。


3.骨の問題からくる腰痛

骨そのものに変形や異常がある場合も、腰痛の原因となります。

代表的なのが「変形性腰椎症」です。これは加齢や長年の負担によって腰椎(腰の骨)が変形し、神経や血管を圧迫して痛みを引き起こすものです。

また、骨粗しょう症による圧迫骨折も腰痛の大きな原因です。特に高齢の女性に多く、転倒などの外的要因がなくても、弱った骨が自重に耐えきれずつぶれてしまい、強い痛みを伴います。


4.急性の腰痛(ぎっくり腰)

俗に「ぎっくり腰」と呼ばれる急性腰痛症は、突然強い痛みに襲われるのが特徴です。

  • 重い荷物を持ち上げたとき
  • 急に体をひねったとき
  • くしゃみや咳をしたとき

こうした日常のちょっとした動作が引き金となり、硬くなっていた筋肉や関節、靭帯を傷めてしまうのです。

ぎっくり腰は安静にしていれば数日から数週間で回復するケースが多いですが、繰り返しやすい特徴があり、その背景にはやはり筋肉・軟骨・骨のいずれかに慢性的な問題が潜んでいることが少なくありません。


5.足やお尻の痛み・しびれを伴う腰痛

腰痛とともに、お尻から太もも、ふくらはぎにかけての痛みやしびれを感じることがあります。これは「坐骨神経痛」と呼ばれる症状で、多くの場合、腰の神経が圧迫されることが原因です。

  • 椎間板ヘルニアによる神経圧迫
  • 梨状筋症候群(お尻の筋肉が神経を圧迫する)
  • 脊柱管狭窄症(神経の通り道が狭くなる)

これらが代表的な原因です。稀に腫瘍などが神経を圧迫しているケースもあるため、強いしびれや歩行障害がある場合は必ず医療機関を受診する必要があります。


腰痛の根本原因は「背骨のゆがみ」?

ここまで5つの腰痛の原因を見てきましたが、いずれにも共通している背景があります。それは 背骨の自然なS字カーブの崩れ です。

人間の背骨は本来、横から見るとゆるやかなS字を描いており、このカーブがクッションの役割を果たしています。しかし、姿勢の悪さや生活習慣の乱れ、運動不足などによりこのS字が崩れると、腰に大きな負担がかかり、筋肉や軟骨、骨に次々とトラブルを引き起こします。

つまり腰痛を改善・予防するためには、単に痛みを和らげるだけでなく、背骨を正しい位置に保つこと が重要なのです。


まとめ

腰痛の原因は大きく分けると以下の5つに分類できます。

  1. 筋肉や靭帯の問題
  2. 椎間板など軟骨の問題
  3. 骨の変形や異常
  4. 急性のぎっくり腰
  5. 神経圧迫による足やお尻の痛み・しびれ

しかし根本には、姿勢の乱れや生活習慣による背骨のゆがみが存在し、それが腰痛を繰り返す大きな要因になっています。

もし現在腰痛に悩まされている方は、まずは原因を正しく理解し、必要であれば医療機関で検査を受けることをおすすめします。そのうえで、日常生活の中で姿勢を整え、筋肉をバランスよく鍛えることが、腰痛の予防と改善につながるのです。

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